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monogoto

Midjourney

 話題になっていたMidjourneyを利用してみた。幾つか作成したものを載せてみる。多分、面白いといえば、面白いのだが、特に充実感や達成感は得られなかった。無料で使える分は使い切ってしまったが、使い続けるかは決めてない。

 絵描きのアイデンティティを脅かす面があるのは否定しがたいが、コツを学ばないと、イメージをコントロールするのは難しいかもしれない。一週間位、使い込めば、幅も広がるだろうと思う。

 利用するのに抵抗を覚える人は勿論いるだろうが、絵心が無い人より、美術に詳しい人の方がイメージを作りやすいかもしれない。Photoshopのように高機能な画像編集ソフトが絵作りの方式を変えてしまったように、補完的なツールとして定着するかもしれない。

 CGも今でこそ定着しているが、20年位前のイラスト業界だと、批判的な意見も散見されてたと思う。テレビゲームはもっと前から定着していたのに、変な話だと思うかもしれないが、パソコンの普及率が急激に上がったのがwindows95以降で、それ以前だとパソコン使ってない絵描きが普通だったのだ。ただ、プロのイラストレーターなんかはマッキントッシュ派が多かったと思う。

 電話回線を使った通信速度なんて本当にひどいものだったし、ハードディスクの容量も大したことなかった。今は基本的な条件が全然違う。10年後にはAI画像なんて当たり前のツールとして利用されてると思う。法整備より先に技術革新が起きてしまうと、色々ややこしい話になりそうだが、状況が変化していくのが確定的ならば、先に使い方を習熟した方が得なのかもしれない。訴訟問題が起こる可能性が無いとは言えないが。画像合成技術で他人の著作物を利用する行為は、大分前から行われていると思う。

 

 ただ、「絵作り」の方法論が完全に切り替わるとか言われると、そうでもないだろうと思う。Midjourneyを使ってみて分かったのは、一見よく見えるけど、絵として見ると穴やノイズが多い画像も少なくないってこと。それが面白く見えることもあるかもしれないが、修正や微調整に関しては、絵心ある人の方が有利だと思う。ただし、頭の中にあるイメージを忠実に再現してくれる保証は無い気がする。人には通じる文章をAIがきちんとくみ取ってくれる訳でもない。

 プロの絵描きやグラフィックデザイナーがアイデアに困った時に遊ぶのには良いかもしれない。画風に関しては、美術や写真に詳しい方が強いと思う。自分の作風とかけ離れたものや普段描かないモチーフを取り込むのも良いかもしれない。自分ならば、イメージを攪拌するのに利用すると思う。しかしながら、出来上がった画像を自分の作品だとは全く思えない。

 

 画像作成時、実際は英語を使っていたが、あまり反映された気がしないキーワードも多かった。なので、書いてあるキーワードはただの「例」

 

ミュシャのスタイル、黒いドレスを着たイザベル・アジャーニノートルダム宮殿

■サルガドのスタイル、マチュピチュ遺跡、傘をさした芸者

■サルガドのスタイル、UFO、盲目の老人、古代の遺跡

■モノクロ、満月、空飛ぶクラゲ、巨大なカマキリ

ターナーのスタイル、ヒマラヤ山脈ラヴクラフト、虚空の眼

タルコフスキーのスタイル、廃墟、キノコの森、女性